2010年12月6日月曜日

香茸飯

12月5日  

乾燥保存していたコウタケで香茸飯を炊いた。
ジップロック袋に入れていたが、匂いが袋の外にまでしている。

乾燥品 

これで 5合 炊く。







20g弱
生品の約10分の1の重さになっている。








水で戻す









4時間戻したもの 









油揚2枚に熱湯をかけて油抜きし、米粒大に切っておく。 










戻したコウタケは適当な大きさに手で裂く。
あまり小さくしないほうがコウタケの歯ごたえや味が楽しめる。

  コウタケの戻し汁に触ると手がすべすべしてくる。
  これはコウタケの中のタンパク質分解酵素によるものである。
  昔の人は荒れた手にコウタケの戻し汁つけて荒れを取ったとのことである。

しょうゆ大さじ3、酒大さじ3、みりん大さじ2で4~5分煮る。(戻し汁もいっしょに)
この味付けでは御飯につく味はほんの気もち程度である。
煮はじめると部屋中にコウタケの香りがしてくる。

やや水を少なめにして米を仕掛け、煮あがったものを入れる。
油揚げを投入する前はこんな状態







この後油揚げを入れて炊きあげる。


炊きあがった状態 









全体をシャモジで切るようにほぐしながら混ぜる

わが家ではこれは一回では食べきれない。

残った分は小分けして冷凍保存する。
電子レンジで解凍すれば炊きたてと同じ味にを楽しめる。




いただきます 
戻し汁も使っているのでご飯の色が濃い。
醤油の色ではない。
コウタケの香りがご飯全体にいきわたっている。
口に含むと鼻に抜けてくるコウタケの香りがなんとも言えない。






今回は、コウタケの香りを楽しむためのレシピである。
酒の後などにはこれが最適であろう。
子供向きの味ではない。
拙宅の豚児共は「クサい、白いご飯の方がいい」などと言っていやいや食べている。

ご飯の味を楽しむというならば、
もうちょっと味を濃くし、ごぼう・にんじん・こんにゃく・鶏肉などを入れるがよいであろう。
しかしそれではわざわざ香茸など使わずシイタケでも十分ではないか。


2010年11月25日木曜日

2010年のきのこ

7月11日塩原温泉

ムラサキヤマドリタケ
回顧の滝へ向かう道に落ちていた。誰かが採っては見たものの見た目にひるんで捨てて行ったのだろうか。









オリーブオイルと塩で焼いた。虫もまったく入っていず抜群の新鮮さ。
たちのぼる控えめの香り、じわりとくる旨み、ここちよい歯切れ。
育くんだ塩原の自然と置いてくれて行った人に感謝しつつ、妻と二人で味わった。










10月13日富士山

07時30分富士吉田駅着
駅前の公園で飲料水を補充したのち、北口本宮冨士浅間神社をめざして歩きだす。
神社からさらに中の茶屋へ向かう。
道路わきの林の中をうかがう。
きのこがポツポツあるのだが,おめあてのハナイグチがない。
カラマツ林を一つ一つ点検していくがハナイグチが出てこない。
中の茶屋近くになってやっと一個所の出場を発見。
                  
良形の幼菌だがたった3本とはなさけない。     








中の茶屋からスバルライン1合目駐車場をめざして滝沢林道をあるく。

シラビソ林があったので入ってみる。
収穫は幼菌のアカモミタケが2本だけ。
2合目シラビソ林内、不明種















1合目駐車場付近にてアミタケ、クロカワのポイントをチェックしたが成果なし。
スバルライン料金所をめざして鳴沢林道を下る。
料金所付近にてやっとアミタケの出場
にあたった。









時刻はすでに午後2時を過ぎているが車道のそばなので迷う心配はない。
腰をすえて探すことにする。
ハサミで根元から切り取り,手に持った紙袋に入れていく。
場腐れているものも多く、良形のものは少ないながらも40分ほどで
袋が重くなってきた。3本であったが良形のショウゲンジもあった。
マツタケ採りの人に出会った。地面を手で押さえてアタリをさぐっている。
「ここ数年は出なくなった場所なんですがね」と言いつつも丹念にアタリを探っていた。

本日の収穫








アミタケ、ハナイグチ、ショウゲンジ、アカモミタケ、サクラシメジ、キナメツムタケ

上の写真の一部  ショウゲンジ
 






         

タマゴタケ






                

上の2本の下側 









アミタケは下ゆでしておおかたは醤油と味醂で佃煮にした。










タマゴタケ、ショウゲンジ、ハナイグチ、キナメツムタケ、残りのアミタケできのこ汁にする。
昨年はまったくの不作できのこ汁にもありつけなかった。2年ぶりの味である。











2010年10月13日御坂山系

クリタケ








ウラベニホテイシメジ










ニセアブラシメジ








落ち葉を取りのけると








ムレオオフウセンタケ

















コウタケ単生









ハナイグチ(らくようきのこ)             
アカマツをまじえたカラマツ林、腐植の堆積が厚い。
発生個体数は少ない。そのかわり各個体がかなり大きい。







コウタケ列生
ゆるやかな支尾根を下っていく。
尾根の片側は主に若いミズナラからなる明るい林である。
視野に突然コウタケが飛びこんでくる。
周囲に人の気配がないことを確かめた後に、
じっくりと観察する。
列をなして生えているものを見つけたのは2004年9月についで二度目である。


上の全景写真のうちの左上の部分の個体









同 中央の部分の個体









同 右側の部分の個体









コウタケ列生二ヶ所目のうちの一個体
上記の場所から数十メートル進んだところにまたも列をなしている。








二ヶ所からの収穫
2004年に初めてコウタケを採ってから昨シーズンまでの全収穫量にほぼ相当する量が採れてしまった。







サクラシメジ
峰越しの異名どおりに支尾根の両側斜面に生えている。
ワインレッドの色調で姿は美しいが、苦味があり肉質も繊維が強くバサつくので調理法が悩ましい。
けっきょく瓶詰め保存としたが、下ゆでののちに付着の落ち葉を取り除くのにたっぷり1時間がかかってしまった。



                          
ムレオオフウセンタケとコウタケのパスタ
具はきのこ、たまねぎ、ピーマン。
味付けはオリーブオイル、塩、ローストガーリック。
コウタケの強い香りが皿全体にいきわたっている。
パスタだけを口に入れてもコウタケの香りが鼻にぬけてくる。
コウタケ自体も、香りに加えてしっかりとした歯切れと強い旨みがある。





10月20日御坂山系

ハンノキに生えるヌメリスギタケモドキ








ベーコンと炒めた。味は悪くないが水分が多い。
下ゆでしてから佃煮にでもしたほうがよいかも。








サクラシメジ










またコウタケがとれた
13日に発見したところにまた列生していた。
13日に取り残しておいたものが大きくなっていた。







ホンシメジ発見
コウタケが列生している所のすぐそばにあった。
天然の実物を見るのはこれが初めてなので99%まちがいはないと思うのだが1%の不安は残る。







いただきます、下から時計回りにホウキタケ、アミタケ、クロカワ。
大根おろしとポン酢しょうゆで。








ホンシメジ吸い物
昆布でごく軽く出汁をひいて、塩・酒のみで味付けする。
汁をひと口してみて濃い旨みに驚く。
におい松茸、味しめじを実感する。
野性の鋭さを感じさせながらもおだやかで爽やかな香り、濃厚ではあるがくどすぎない旨み、緻密な肉質、強すぎずにほど良い歯切れ。
これはキノコの王様だ。
1%の不安など吹っ飛んでしまった。



11月3日御坂山系
3日は祝日である。日没も早くなってきている。出来れば夜明けには入山したい。
そこで2日の大月発河口湖行きの最終電車に乗る。

河口湖駅
ここから目的地まで歩く。
夜明け前につくはずだ。







夜の河口湖と富士山
晴れているし、月も出ていないので星がいっぱい見える。








夜明けを待って入山する








ムレオオフウセンタケ








落ち葉を取りのけると








洗ってきれいにしたところ
右端の大きい個体は上記の場所とは別の所から採取したもの。








シモフリシメジ
炊き込みご飯にした。
ホンシメジには及ばないが十分に旨い。
シコシコした歯ごたえも心地よい。

これが出てくると秋のきのこシーズンも終わりである。
採れてうれしい半面、さびしくもある。




またしてもコウタケ
右側の一番大きい物はシカ道の真中に生えていた。
それ以外は、13、20日に採った所にまた生えていた。
結局同じところから3回にわたって収穫したことになる。






右側の個体の側面
傘の上の鱗片がほとんど落ちているが、裏面に下がっている針はまだ色が薄い。








爪あとのある道標
欠けているところには黒色の細い毛がついていた。







これは誰の糞
水分の多い、やわらかいものであった。
このあたりには、
シカ、サル、イノシシ、クマ、キツネなどがいる。
実際に出会ったことのあるのはイノシシだけである。